ad:tech Tokyo 2009に参加してきました

昨日と今日でad:tech Tokyo 2009に参加してきました。といっても、出たり入ったりで全てのキーノートやセッションに出れたわけではないのですが。
改めて説明する必要もないのかもしれませんが、ad:techはNY、SF、Chicago、London、Parisといった欧米だけでなく、アジアではSingapore、北京、上海、Sydneyなどでも開催されている広告系のイベントです。今回、武富さんの情熱により、ようやく東京での開催でした。
元々は次世代の広告技術を扱うというのがテーマなんでしょうが、それに留まらずマーケティングの本質やこれからの広告会社についてなどがほぼメインの話題じゃないかという感じで議論されており、今回のカンファレンスもかなり熱いディスカッションが多かったです。
個人的にはこれまでなかなか聞く機会のなかった広告主の方たちの本音が聞けたというのが何より収穫でした。イベントに参加されている広告主の方の比率は少なかったようですが、パネルとしてお話しされている広告主の方が代理店の人たちに求めていることが同じことだったような気がします。うまく表現しきれないのですが、マーケティング上の課題を解決していく上で、手法を目的と履き違えずに、同じゴールに向かっていくパートナーになってくれ、ということだったんじゃないかと。
一方で、広告主側にも新しいことにチャレンジするには社内を説得しなければならなかったり、従来のマーケティング手法だけでは十分ではなく変化が求められる世の中に十分に対応できる体制になっていなかったり、という悩みがあるのだなということも感じたり。
最後にマーケタータレントの育成というセッションに出たのですが、ここで議論されているところで感じたことは、日本の社会構造の問題点の縮図になっていて、新しいことにチャレンジすることがハイリスクローリターンになってることがそのままこの業界でもあてはまってるんじゃないかと。(これは個人の意識の問題だと本質的には思うのですが、チャレンジしたことを評価して再チャレンジを促すよりも、うまくいかなかったことをあれやこれや言うような世の中の雰囲気も変えていく必要があることだと思います。)
とまあ、いろんなことを感じたわけですが、海外で行われているad:techに比べて僕らのような技術のベンチャーがあまり参加していないのは残念というか、頑張らないといけないんじゃないかということを思いました。
ネット系のサービスでは広告モデルではなく課金モデルがGREEさんの成功もあって、今はそっちに振れているように感じますが、本当はバランスが必要であって、いずれの場合でも本質的にはユーザに対して価値あるサービスを届ける中で、お金の流れをどう作ってビジネスにしていくかということだと思っています。
とすれば、価値を提供する対象としての企業(広告主)の話が聞けるこういったイベントにベンチャーからの参加が少ない状況はまずいんじゃないかと。
広告主さんも広告会社さんもマーケティングの課題解決のために必要な変革や新しいことへのチャレンジを議論している場に、そのソリューションを提供することを目指しているベンチャー業界の人間がもっと入り込んでいくことは重要だよなあ。
来年の開催も決まっているようなので、次回は単なるaudience(といっても、今回は広告主の担当者に直接コンタクトを取りに行くという目的があって、それは達成したのですが。)ではない形で参加できるようにこれから頑張りたいと思います。
いよいよ、新サービスが来週リリースの予定です。