「テレビ進化論」を読みました

遅読ですが、境真良さんの「テレビ進化論」という本をようやく読み終わりました。結論から言うと非常に読みやすく、頭の中を整理していくのに非常によかったです。第4章「次のテレビの誕生」がまさしくメタキャストがドメインとしているところで色々と参考に。映像コンテンツに関しては現時点においてテレビ業界がその中心にあることは間違いなく、インターネットの登場によりテレビとテレビ業界の保有していたコンテンツ流通に関するパワーが今後どのように変化していくのか、ということについて解説が進められていきます。その中で「マイ・チャンネルの切り開く可能性」というセクションからの引用です。

 少し違いがあるとすれば、私たちを満足させる編成表は、ブラウザの「ブックマーク」と違って、必ずしも自分のお気に入り映像コンテンツを列挙したものではない点だ。私たちは、いくら好きなコンテンツでもいつも見続けると飽きてくる。むしろ適当に自分が思いもつかなかった映像コンテンツを見させられる環境のほうが、都合がよいのだ。
 利用者の趣味に合わせながら、適度に意外性があって、なおかつそれが面白いと思ってもらえるような映像コンテンツリストを利用者の視聴傾向その他の情報から自動生成する。それはユーチューブさえまだ十分にできていない機能であり、今後の技術革新と情報蓄積の余地がある部分だ。

メタキャストのサービス「Mitter」が目指しているのも、このようなマイ・チャンネルとなっていくことです。スタートをPCで視聴する動画共有サイトの動画コンテンツにしており、ユーザの視聴履歴を活用することで趣味・嗜好にあったコンテンツのおすすめを行ったり、他のユーザの視聴履歴を参照することで意外性のあるコンテンツの発見ができたりといったことができるサービスです。まだまだ目指している姿には程遠いといったところなのですが、我々は視聴履歴を含めユーザ自身が作り出すメタデータこそが、コンテンツへのナビゲーションには欠かせないと考えており、今後もユーザにとって使いやすいサービスとなるように努力していきます。将来的には視聴する端末やコンテンツの配信チャネルにとらわれないナビゲーションの仕組みを提供することが目標です。

ところで、メタキャストでは2か月に1回くらいのペースで定期的にKNN神田さんと開催しているイベント「テレビとネットの近未来カンファレンス」があります。この本を読むきっかけにもなっていたんですが、次回(追記:7月22日(火))のテーマを「これから始まる”本当のテレビ進化論”」として、ゲストにこの本の著者である境真良さんと「とくダネ!」のオープニングトークでも紹介された話題の全録レコーダー「SPIDER zero」を開発する株式会社PTPの有吉社長、さらにAMNの徳力さんにも加わって頂き、ユーザ視点でのディスカッションを行います。

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テレビ進化論  (講談社現代新書 1938)

テレビ進化論 (講談社現代新書 1938)

P.S. 実は昨日が誕生日だったんですが、今日みんなにお祝いしてもらいました。お祝いしてもらってうれしい歳でもなくなってしまいましたが、それでもケーキでお祝いされるのは正直うれしかったです。

なぜか名前が”イトケン”ではなく”イトケソ”になってます。。。奥に見えている人形も手作り!で、もらいました

満面の笑み(?)です。